アジア州の東南アジアにある,インドシナ半島の中央部をしめる国。政治体制は立憲君主制で,元首は国王。首都:バンコク,面積:51.3万km2(2015年),人口:6904万(2017年)。言語:タイ語(公用語),ラオ語など,宗教:仏教など,民族:タイ人(シャム・ラオなど),中国系など。
〔自然のようす〕
中央部にチャオプラヤ(メナム)
川が
流れ,その
下流域に
三角州が
形成されている。
北部と
西部に
山岳地帯,
東部にコラート
台地がある。
気候は
熱帯に
属し,
年中高温で,モンスーンの
影響により5〜10月は
雨季,11〜4月は
乾季になる。
〔あゆみ〕
14
世紀にアユタヤ
王朝が
成立してさかえた。18
世紀にはビルマにほろぼされたが,まもなく
現在の
王朝が
成立した。その
後,ヨーロッパ
諸国の
進出によって
国土の
一部がけずられたが,
東南アジアでただ1
国独立を
守った。
歴史的な
王朝遺跡や
仏教遺跡がのこる。
〔産業のようす〕
主産業は
農業であるが,
近年は
工業の
発展がいちじるしい。
世界有数の
米の
輸出国で,チャオプラヤ(メナム)
川下流域の
三角州が
主産地。
天然ゴム・
砂糖の
輸出も
世界有数。かつては,
米・
天然ゴム・スズなどの
輸出にたよってきたが,
近年は,
機械や
自動車など
工業製品の
輸出がのびている。
鉱産資源はスズ・タングステンなどを
産出し,
近年,
天然ガス
田が
開発された。
工業化は,
外国の
援助や
企業の
誘致によって
進めており,
繊維・
電機・
化学・
自動車などの
工業が
都市周辺に
発達している。
〔社会のようす〕
宗教的には
上座部仏教の
国。
国民は
熱心な
仏教徒で,
男子はだれでも
一度は
仏門に
入る
習慣がある。
商業では
華人(
華僑)の
活躍が
目だつ。
〔日本との関係〕
17
世紀には
朱印船が
渡来し,アユタヤに
日本町がつくられた。
現在は,
進出する日本
企業が
多く,タイにとって日本は
重要な
貿易相手国。
〔日本との貿易〕
タイから日本への
輸出:
電気機器,
一般機械など。
タイの日本からの
輸入:
一般機械,
電気機器,
鉄鋼など。(2015年)
〔国名の由来〕
タイ
人の
名称に
由来するが,
現在は「
自由の
国」(ムアン=タイ)という
意味。
〔国旗の由来〕
赤は
国民,
白は
建国の
伝説に
出てくる
白象と
仏教徒を,
青は
王室および
国土をうるおすチャオプラヤ(メナム)
川を
表している。