*だいじょうだいじん【太政大臣】 (1)律令制(りつりょうせい)の最高官(さいこうかん)。太政官(だいじょうかん)の長官(ちょうかん)。常置(じょうち)せず,則闕官(そっけつのかん)といって適任(てきにん)者がないとおかなかった。天智(てんじ)朝の大友皇子(おおとものおうじ)が初例(しょれい)で,もとは皇子(おうじ)にかぎられた。平安時代以降(いこう)はほとんど藤原氏(ふじわらし)の系統(けいとう)によってしめられた。(2)明治(めいじ)時代初期(しょき)の太政官制(だじょうかんせい)の最高官(さいこうかん)。正院の長官(ちょうかん)で天皇(てんのう)の補佐(ほさ),国政(こくせい)の総轄(そうかつ),陸海軍(りくかいぐん)の統括(とうかつ)を行ったが,任官(にんかん)者は三条実美(さんじょうさねとみ)だけで,1885(明治(めいじ)18)年の内閣制度(ないかくせいど)で廃止(はいし)。一般(いっぱん)に,明治初期(めいじしょき)のものは「だじょうだいじん」と読んで区別(くべつ)する。