*たいへいき【太平記】 南北朝(なんぼくちょう)時代の軍記物(ぐんきもの)語(がたり)。40巻(かん)。1371年ごろの成立(せいりつ)で,作者は小島法師(こじまほうし)といわれるが不明(ふめい)。鎌倉幕府(かまくらばくふ)の滅亡(めつぼう)から南北朝(なんぼくちょう)の争乱(そうらん)期のありさまを,南朝の立場からえがいており,『平家物語(へいけものがたり)』につぐ代表的(だいひょうてき)な軍記物(ぐんきもの)とされる。◇江戸(えど)時代には,物語僧(ものがたりそう)が町の辻(つじ)などで口演(こうえん)する「太平記読み」によって民間(みんかん)に語りつがれ,のちの文学に大きな影響(えいきょう)をあたえた。