高圧・高温のガスの固まりである太陽は,そのガスの対流によって強力な磁場を発生しており,地球と同じようにN極とS極の磁極をもっている。この磁極は11年周期でN極・S極が反転し(シュワーベ周期),22年でもとにもどるということをくりかえしている(ヘール周期)。太陽活動の変化もおよそこの周期に連動していることがわかっており,たとえば,太陽黒点の増減もこの周期に連動している。◇2012年5月,2013年からはじまる予定だった2極の反転が,現在,北にS極(-極),南にN極(+極)の状態から,2極ともN極(+極)になり,太陽赤道付近に北(N極)に対するS極(-極),南(N極)に対するS極(-極)があらわれる4極構造が生じつつあるという観測結果が日本の国立天文台から報告されている。1645〜1715年に太陽活動が低下し,ヨーロッパできびしい寒期が続いたマウンダー極小期もこの4極構造の時期であったと推測されており,同様の気候変動が起きるのではないかと心配されている。太陽