太陽の運行だけをとりいれ,季節に忠実に合わせた暦。古代暦では多くが月の運行を追うことにつとめたが,太陽暦をとった例もある。エジプト暦・マヤ暦などがそれである。エジプト暦は1年を12か月,1月を30日,別に月に属さない特別の日を5日,計365日とし,うるうを全然考えないものである。そのため4年に約1日のくるい(季節と暦とのずれ)が生じていくが,暦のほうはかまわずおし通し,季節に関係のある祭りや行事の暦の日付をずらすという方法をとった。カエサル(シーザー)はエジプト遠征をしたとき,このきわめて簡単な暦におどろき,当時の複雑で不合理なローマ暦を太陽暦にあらためることとし,いわゆるユリウス暦をつくった。これが長くヨーロッパで使われ,ローマ法王グレゴリウス13世がそのうるうの欠点をさらにあらためたものが,今日のグレゴリオ暦である。マヤ暦は1年を18か月,1月を20日,別に月に属さない日を5日,計365日とし,やはりうるう日をおかないで,祭り・行事の日付をずらしていくものであった。
コーチ
わが国でも,1873(
明治6)年
以来,このグレゴリオ
暦を
採用している。