太陽系の惑星の1つ。太陽側から3番目の軌道を公転し,衛星として月をもつ。生物が住むなど,ほかの惑星にくらべて特異な存在である。地球の表面積の71%が海,29%が陸地である。
〔形・大きさ〕
地球は,赤道
半径6378.137km,
扁平率298.257分の1(
測地基準系1980)の球にひじょうに近いだ円体である。しかし,
現実には
陸地や海などが
存在しており,
厳密には
凹凸がある。そこで真の地球の形として
平均海水面の形をとり,これをジオイドという。ジオイドは世界
各地の重力
測定や人工
衛星の運動などからきめられる。
〔質量・密度〕
質量は5.972×10
24kg,
密度は5.52g/cm
3である。
質量は万有引力定数と重力
加速度の
値から計算することができる。地表の岩石の
密度は
約2.5g/cm
3であるから,内部は
密度が高くなっていることがわかる。
〔重力〕
地球の万有引力と自転による遠心力との合力を重力という。ただし遠心力は,
最大となる赤道でも万有引力の300分の1にすぎない。
〔地磁気〕
地球は全体として1つの
磁石となっている。その
機構はダイナモ
理論といわれる
理論で
説明されている。
地磁気には
日周変化があり,また
永年変化もしている。
コーチ
地磁気の
極と
地軸の
極は少しずれている。
〔内部構造〕
地震波の
伝わり方などの研究から,地球内部は
層構造をもつことがわかっている。地球の
最も外
側の
層を
地殻といい,
大陸の下で
厚さ20〜40km
程度,海洋下では7km
程度である。
地殻の下(モホロビチッチ
不連続面)から2900kmまでをマントルという。
地震波の
伝わり方からみれば,
固体であるが,長い年月の間には流動体の
性質を
示す。マントルはさらに上部マントル・
遷移層・下部マントルに分けられる。2900kmから中心までを
核(コア)という。
核は
外核と
約5100km
以深の
内核とに分けられる。
外核は高温の
液体であり,
内核は
固体と考えられている。
〔公転運動〕
地球は,ほかの
惑星と同じように,太陽のまわりを1年(365.2422日)で1
周している。これを地球の公転という。その長
半径は1
億4960万kmで,これを1天文
単位といい,
距離の
単位になっている。公転の
証拠としては
年周視差と
年周光行
差がある。太陽が
星座の間をぬって西から東へ天球上を1年で1
周するように見えるのは,地球が公転しているための見かけの運動である。また
星座が東から西へうつりかわり,1年で1
周するように見えるのも,地球が公転しているための見かけの運動である。
コーチ
地球の公転のため
星座は1日に
約1度,1か月で
約30度東から西へ
移動。
〔自転運動〕
地球は,
北極と
南極をむすぶ
軸(自転
軸または
地軸という)を中心として,西から東へ1日に1回転している。これを地球の自転という。地球が1回自転するのに
要する時間(自転
周期)は
恒星に対して23時間56分4秒である。太陽や星が東から西へ1日に1回転の速さで動いて見えるのは,地球の自転による見かけの運動である。
コーチ
地球の自転のため太陽や星は1時間に15度ずつ東から西へ
移動する。
〔地球の環境〕
地球は,ほかの
惑星とちがって,太陽からの
距離が遠くも近くもなく,
適当な
量の太陽
放射を受け,その上,
適当な
濃さの大気と
多量の水があるため,
平均約15℃と生物の生活に
適当な表面温度になっている。