地球環境とは,地球をとりまく大気や土壌,水,そのなかでくらす生物など,地球を構成しているさまざまな要素をさす。これらの要素は,生物が生きていくために重要な役割をはたすが,近年,地球環境の破壊が大きな問題となっている。
〔大気の汚染〕
生産活動によって生じるさまざまな物質が,大気
汚染の
原因になる。工場などから
排出された
二酸化炭素は,温室
効果*によって地球
温暖化*をひきおこす。自動車や工場から
排出される
硫黄酸化物や
窒素酸化物などが
原因で発生し,植物を
枯死させたり,人体に
害をおよぼす
酸性雨(
酸性霧),
光化学スモッグによる
被害も
深刻である。また,地球をとりまくオゾン
層*は,かつてエアコンや
冷蔵庫,スプレー,ICなどの電子
機器部品の
洗浄に使われていたフロンによる
破壊が進んでいる。
〔土壌の汚染〕
近年,
青酸カリの1000倍以上の
毒性をもつと考えられるダイオキシンによる
土壌汚染が,大きな問題となっている。また,かつて電気部品などに使われたPCB,水銀などの
有害な
金属も,ゴミの
埋め立てなどによって流れ出し,
土壌汚染の
原因となっている。
〔水の汚染〕
土壌を
汚染した
有害物質は,やがて川や湖に流れこみ,水を
汚染する。近年,水にとけたさまざまな物質が
環境ホルモンとなり,水にすむ生物に
悪影響をおよぼしている。また,船の
事故による重油の流出なども後を
絶たない。
〔環境破壊の防止〕
近年,
環境破壊をふせごうとする
国際的な活動もさかんになっている。1997年に開かれた地球
温暖化
防止京都会議では,温室
効果ガスの
排出量を,2008〜2012年までに,1990年レベルの5.5%までへらすことが決められた。また,
企業も,
有害物質を出しにくい商品や
包装の
簡素化などをとおして,
環境破壊を
防止する
努力を行っている。