泥・砂・れきなどからなるたい積物,またはたい積岩が層状に重なったもの。地層は横のほうにもつづき,奥のほうにもつづいている。
〔地層のつくり〕
地層は,
畳を何
枚も重ねたように,しま
模様をなして重なっている。その1
枚1
枚にあたる部分を
単層といい,
単層と
単層の間の
境界面を
層理面(または
層面)という。
層理面が
断面に線としてあらわれたものを
層理(または
成層)という。上下の
単層の
粒の大きさや
種類,色は
異なることが多いが,
単層の内部はふつう一様な大きさの
粒からなる。
単層はふつう数cmから数十cmの
厚さであるが,10mをこえるものもある。
地層をつくる
粒は,
砕せつ物とよばれるもので,
粒径の大きさから,れき・
砂・シルト・
粘土(シルトと
粘土を合わせて
泥)に区分される。れきはまたその丸みによって角のとれたまるい円れき,角ばった角れきに分けられる。火山
灰などの火山
砕せつ物がふくまれることもある。
コーチ
砂からなる
層は
砂層,火山
灰からなる
層は火山
灰層,
固結したものはそれぞれ
砂岩層,
凝灰岩層などとよぶ。また,
地層の中には,たい
積当時の化石がふくまれることがある。
〔地層の重なり方〕
地層が
形成されるときには,前にたい
積したものの上に
順に
積み重なっていくので,
一般に重なっている2つの
地層のうち下にある
地層は上にある
地層より古い。この
法則を
地層累重の
法則という。しかし,
地殻変動を受けて
地層が曲がったり,
垂直に立ったり,
逆転しているときには,この
法則は
適用できない。2つの
地層(
単層と
単層)が平行に重なり合い,たい
積に
中断がなく,
時間的にほぼ
連続してたい
積している場合を整合という。2つの
地層が
不連続なたい
積をしている場合を
不整合といい,2つの
地層の間の
凹凸のある
境界面を
不整合面という。
不整合面の上には下の
地層からのれき岩をふくむことが多く,これを
基底れき岩とよぶ。
コーチ
不整合は
地殻変動によって
陸上にあらわれ,
侵食を受けたのち,ふたたび水面下にしずんだ
証拠である。
〔地層のでき方〕
岩石の風化・
侵食などによって生じた
砕せつ物や火山
砕せつ物は,流水などによって
運搬され,やがて
海底などにたい
積する。
一般に
粒の大きいものは早くしずむので,海岸近くの
海底にたい
積し,
粒の小さいものは
沖まで運ばれて
海底にたい
積する。同一のたい
積条件がつづく間は,ほぼ一様な
地層をつくり,たい
積条件が
変化すると,それまでとは
異なる
地層をつくる。こうして
何枚もの
単層が
積み重なった
地層が
形成される。
コーチ
地層は
海底のほかに
湖底・
川底・
陸上(火山
灰)で
形成されることもある。
〔地層の観察〕
地球の
歴史を知るには,まず
地層(
露頭)を
観察する
必要がある。
地層にはたい
積当時の地球の
環境が
記録されているからである。
観察にあたっては,
地層を
構成する
物質とその
粒の大きさ,
地層の
厚さ,上下の
層との
関係,
層理面や
地層内部に見られる
構造,化石の
有無,
積み重なり方の
規則性の
有無などに着目する。また,はなれた
地域にある
地層がほかのどの
地層と同じ時代であるかを明らかにする
必要がある。これを
地層の
対比という。
地層の
対比には,火山
灰層(
凝灰岩層)や化石をふくむ
層など,広い
範囲に
分布する
特徴のある
地層を
利用する。この
地層をかぎ
層という。
コーチ
地層にふくまれる化石は,
地層のできた
地質時代をきめたり(
示準化石という),
地層のできた
環境を知る(
示相化石という)のに役だつ。