県名の由来:古くからある千葉郡や千葉郷の名からとった。「千葉」とは,「たくさんの葉がしげる」という意味である。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○指定なし
〔祭り〕
○お田植祭(香取市,4月第1土・日) ○鬼来迎(横芝光町,8月16日)
位置・地形・気候
千葉県は,関東地方の南東部に位置し,太平洋につきだした房総半島を中心に県域が広がっている。
大部分が平坦地で,房総半島南部の房総丘陵も,最も高いところで400mほどしかない。北部には下総台地が広がり,台地のはしには印旛沼や手賀沼がある。下総台地の北は,利根川流域の低地である。
海岸線は,太平洋に面した九十九里浜は単調な砂浜で,房総半島南部は房総丘陵が海にせまっているので磯浜海岸となっている。
気候は,夏に降水量が多く,冬に晴天がつづく太平洋側の気候である。南部の海岸地方は冬もあたたかい。
歴史
昔は安房国・上総国・下総国の3つに分かれていた。平安時代中ごろには平将門・平忠常が乱をおこし,忠常の子孫の千葉氏は鎌倉時代以降も,長い間この地方に勢力をふるった。戦国時代には,安房国におこった里見氏が勢力を広げた。
江戸時代には,数多くの小藩に分けられたが,新田や水運の開発が行われ,地引き網漁業やしょうゆ醸造などの産業も発達した。
明治になって,木更津県・印旛県ができ,その後合併して千葉県となった。現在の千葉県の範囲は1875(明治8年)に定まった。
産業
農業生産額は全国3位である。大消費地東京に近いため,野菜を中心とした近郊農業がたいへんさかんで,野菜は農業生産額の約4割をしめる。ホウレンソウ・ネギ・カブ・エダマメ・ダイコンの生産量は全国1位,サトイモ・ニンジン・キャベツなども2〜3位である(2010年)。ナシ・ビワなどの果物や花の生産も多い。畜産もさかんで,生乳は全国4位,卵は全国2位の生産量である(2009年)。
全国有数の水産県でもあり,銚子港はイワシやサバを中心に,全国2位の水揚げ量をほこっている(2005年)。
工業生産額は全国6位で(2009年),東京湾岸の埋め立て地に重化学工業が集中している。千葉市・君津市の鉄鋼,市原市の石油精製や石油化学,市川市・船橋市の機械工業などがその代表である。柏市や松戸市など内陸部にも,機械・家具・食料品などの工業がある。
発展する千葉県
千葉県は首都東京に隣接し,東京とともに発展してきた。とくに,東京に近い市川・船橋・松戸・柏市などは,1960年代以降,東京に通勤する人々のベッドタウンとして,年々人口が大きくふえ,いまでは人口40〜60万人の大都市となっている。2010年現在,県の人口は622万人を超え(全国6位),県庁のある千葉市は政令指定都市である。
千葉県は,かつて「東京の台所」といわれ,産業の中心は農業・水産業だった。しかし,1960年代以降,県は,東京湾岸の市原市から富津市にかけて,遠浅の海岸を埋め立て,広い工業用地をつくり,大工場の進出をうながした。埋め立て地には大製鉄所・火力発電所・石油化学コンビナートなどが次々につくられて重化学工業地域が形成され,京葉工業地域とよばれて大きな発展をとげた。
しかし,都市化や工業の発展によって自然は大きくそこなわれた。環境のたいせつさが重視されるようになり,保護運動によってわずかにのこされた谷津干潟はラムサール条約に登録された。船橋・市川沖の三番瀬の干潟の埋め立ても見なおされた。