第二次世界大戦後,日本に帰国できずに中国に残されて,中国人の手で育てられた日本人の子ども。満州事変(1931〜1933年)の後,多くの日本人が開拓民として満州(中国東北部)に移住した。しかし,戦争末期の1945年に旧ソ連が日ソ中立条約を破棄して満州に侵攻。混乱の中,親が亡くなったり生き別れたりして,多くの日本人の子どもが現地で中国の養父母に育てられた。1972年に日中共同声明が出されて日本と中国の国交が正常化されると中国残留孤児の日本への帰国が進み,約2600名とその家族が日本に帰国した。◇帰国した残留孤児の中には,言葉の壁などのため日本での生活に苦労している人も多い。