**ちゅうぶちほう【中部地方】



〔位置(いち)とあゆみ〕



 中部地方は本州のほぼ中央部をしめ,新潟(にいがた)・富山(とやま)・石川(いしかわ)・福井(ふくい)・山梨(やまなし)・長野(ながの)・岐阜(ぎふ)・静岡(しずおか)・愛知(あいち)の9県に区分される。中部地方は,東西をむすぶ交通路として,大きな役割(やくわり)をはたしてきた。とくに鎌倉(かまくら)時代以降(いこう)は,東海道の往来(おうらい)がさかんとなり,江戸(えど)時代には,東海道のほか中山道(なかせんどう)・甲州街道(こうしゅうかいどう)が整備(せいび)され,街道(かいどう)ぞいに宿場町(しゅくばまち)がさかえた。そして明治(めいじ)時代以降(いこう)は,鉄道や道路の整備(せいび)が進み,東海道は日本の交通の大動脈(どうみゃく)として発展(はってん)した。中部地方の中心都市である名古屋(なごや)は,東海道の要所(ようしょ)として発展(はってん)した都市である。

〔自然(しぜん)のようす〕



(1)地形…大きく北陸(ほくりく),中央高地,東海に分けられる。中央高地には3000m級の山がつらなり「日本の屋根」といわれる飛騨(ひだ)・木曽(きそ)・赤石山脈(あかいしさんみゃく)が南北に走る。これらの山地の間に長野(ながの)・松本(まつもと)・諏訪(すわ)・甲府(こうふ)などの盆地(ぼんち)がある。北陸(ほくりく)には,信濃(しなの)川下流域(いき)の越後(えちご)平野をはじめ,富山(とやま)・金沢(かなざわ)などの平野が発達(はったつ)している。東海では,木曽(きそ)川・長良(ながら)川・揖斐(いび)川下流に濃尾(のうび)平野が広がっているほかは,牧ノ原(まきのはら)・三方原(みかたがはら)などの台地や丘陵(きゅうりょう)が多い。

(2)気候(きこう)…北陸(ほくりく)は日本海岸式気候(きこう),中央高地は内陸性気候(ないりくせいきこう),東海は太平洋岸式気候(きこう)で,北陸(ほくりく)は世界有数の多雪地帯(ちたい)である。

〔産業(さんぎょう)のようす〕



(1)農業…北陸(ほくりく)の越後(えちご)平野,富山(とやま)平野は米の単作地帯(たんさくちたい)で,日本の穀倉地帯(こくそうちたい)である。一方,東海の農業は多様で,静岡(しずおか)県東部のミカン,牧ノ原(まきのはら)などの茶は有名である。濃尾(のうび)平野から岡崎(おかざき)・豊橋(とよはし)平野にかけては明治(めいじ)・愛知(あいち)・豊川(とよがわ)の用水路が整備(せいび)され,多角的(たかくてき)な近郊(きんこう)農業が発達(はったつ)している。また,八ケ岳(やつがたけ)や浅間(あさま)山の高原では高冷(こうれい)地農業がさかんで,長野盆地(ながのぼんち)のリンゴ,甲府盆地(こうふぼんち)のブドウ・モモの生産(せいさん)は全国的(ぜんこくてき)にも上位(じょうい)をしめている。

(2)工業…名古屋(なごや)市を中心に,日本有数の総合(そうごう)工業地帯(ちたい)である中京工業地帯(ちたい)が形成(けいせい)されている。名古屋(なごや)市の機械(きかい)や航空機(こうくうき),豊田(とよた)・岡崎(おかざき)市などの自動車,四日市(よっかいち)市(三重(みえ)県)の石油化学,一宮(いちのみや)市の毛織物(けおりもの)などの工業が発達(はったつ)している。また,多治見(たじみ)市・瀬戸(せと)市では伝統的(でんとうてき)な陶磁器(とうじき)のほかに,ファイン=セラミックス製品(せいひん)もつくられている。中京工業地帯(ちたい)に接(せっ)するように,第二次世界大戦(たいせん)後,東海工業地域(ちいき)が発展(はってん)した。富士(ふじ)市の製紙(せいし)・パルプ,浜松(はままつ)市の楽器(がっき)・オートバイなどに特色(とくしょく)がある。また,諏訪盆地(すわぼんち)では精密機械(せいみつきかい)工業,北陸(ほくりく)では冬の農家の副業(ふくぎょう)として始まった伝統的(でんとうてき)な工業がさかんである。

コーチ

 東海・中京地区は京浜(けいひん)から阪神(はんしん)にいたる東海道メガロポリスの中央部を形成(けいせい)している。

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