チョウ目(りんし目)の昆虫のうち,ガ以外のものをまとめた呼称。分類学上,チョウとガは対立する自然群ではなく,アゲハチョウ上科とセセリチョウ上科のものがチョウにあたる。世界で約1万8000種,日本では約250種が知られている。
〔チョウのからだ〕
多くの
昆虫と同じように,からだは頭部,
胸部,
腹部に分けられ,頭部に1
対の
触角と
複眼,ストロー
状の口などをもち,
胸部に3対のあしと2対のはねをもつ。はねは大きくてうすく,表面はりん
粉とよばれるうろこ
状の
粉におおわれている。はねをはばたかせることでひらひらと
飛ぶ。
〔チョウの生活〕
チョウは,
昆虫のなかでは
最も進化した
種類の1つで,
幼虫からさなぎをへて
成虫になる
完全変態を行う。多くの
種類の
幼虫は草食で,めすの
成虫は
幼虫の食草に
卵をうむ。
幼虫は,食草を食べて
脱皮をしながら
成長し,やがてさなぎになる。しかし,シジミチョウ科の
幼虫のなかには,アブラムシを食べたり,アブラムシが出す
分泌物を食べる
種類などもある。また,クロシジミの
幼虫のように,あまい
蜜を
分泌してアリに与え,かわりに育ててもらう
種類も知られている。
成虫の多くは,長いストロー
状の口をもち,
飛び回りながら花の
蜜などをすう。
〔チョウの分類〕
アゲハチョウ
上科は,アゲハチョウ
科・シロチョウ
科・フクロウチョウ
科・ワモンチョウ
科・モルフォチョウ
科・タテハチョウ
科・シジミタテハ
科・シジミチョウ
科の8
科に分けられる。また,セセリチョウ
上科には,セセリチョウ
科が
属する。日本には,このうちフクロウチョウ
科とワモンチョウ
科・モルフォチョウ
科・シジミタテハ
科をのぞく,5
科のチョウがすんでいる。