つしま【対馬(国)】 長崎(ながさき)県の対馬(つしま)の旧(きゅう)国名。西海道の1国で,古くから大陸(たいりく)との交易(こうえき)の要地(ようち)とされた。国府(こくふ)と国分寺(こくぶんじ)は今の対馬(つしま)市厳原(いづはら)におかれた。略称(りゃくしょう)「対州(たいしゅう)」。元(げん)の襲来(しゅうらい)を受け,倭寇(わこう)の根拠(こんきょ)地ともなった。鎌倉(かまくら)時代に武藤(むとう)(少弐(しょうに))氏(し)が守護(しゅご)となったが,やがて代官(だいかん)の宗氏(そうし)が勢力(せいりょく)をのばし,室町(むろまち)時代初期(しょき)に国内を統一(とういつ),朝鮮貿易(ちょうせんぼうえき)を独占(どくせん)した。江戸(えど)時代にも宗氏(そうし)は対馬府中藩(つしまふちゅうはん)10万石(ごく)を領(りょう)し,島内を支配(しはい)した。