*ツルゲーネフ(イワン=セルゲービチ=) (1818〜1883)ロシアの小説(しょうせつ)家。大地主の家に生まれたが,幼時(ようじ)から身近に見る農奴(のうど)制(せい)に反感をいだいていた。大学を卒業(そつぎょう)後,ドイツに留学(りゅうがく)してヨーロッパの進歩的(しんぽてき)な思想の影響(えいきょう)を受け,ロシアの農村のすがたを短編(たんぺん)集『猟人(りょうじん)日記』(1852年刊(かん))にえがき,1861年の農奴制廃止(のうどせいはいし)に大きな役割(やくわり)をはたした。その後,『ルージン』『貴族(きぞく)の巣(す)』『その前夜』『父と子』『処女地(しょじょち)』などの作品を発表し,かわりゆくロシアの社会を背景(はいけい)に,その時代を生きる人々の苦悩(くのう)をえがいた。ほかに『初恋(はつこい)』などの小説(しょうせつ)がある。