戦争や地域的な紛争を一定の期間,停止すること。歴史がはじまって以来,人間は戦争を続けてきたため,自然に,とくに近代以降は戦争にもルールが定められるようになった。国際的に条約が定められ,現在でも戦争は国際人道法(ハーグ法,ジュネーブ法をくくってこうよぶ)で決められたルールに従って行われることになっている(ただし,内戦や地域紛争はこうしたルールが無視されることが多い)。そうしたルールを背景に,戦争や紛争の当事者どうし,また第三国や国際機関が仲介して協定を結び,一定の期間,戦闘を中止することを停戦とよんでいる。この間に兵士や民間人の救命・救出などが行われたり,本格的な休戦に向けての協議が行われたりする。ただし,紛争当事者の一方が約束違反をおかせばその時点で停戦は破棄される。キリスト教国ではクリスマス,イスラム教国ではラマダン(断食月)や犠牲祭などの宗教的行事にことよせて停戦が行われることが多い。