書籍や雑誌などに印刷された文字・画像を電子情報化して,パソコンや携帯電話,専用端末で読めるようにしたものの総称。1980年代からフロッピーディスク,やがてCD-ROMでのデータの供給ははじまっていたが,値段の高さや読みにくさもあって普及は今ひとつで,例外的に成功したのは専用端末にデータも内蔵した電子辞書だった。2000年代に入って,データのインターネット配信がはじまり,携帯電話の画面上で文章を読むことへの違和感がやわらいだこともあって普及の下地ができあがった。2007年にアマゾン社の専用端末キンドルが発売,さらに2010年にページをめくる感覚で電子書籍を読めるアップル社のタブレット型パソコンiPadが登場。◇分量が多いため最初からCD-ROM版だけが発行される資料集や直接ネット上に発表されるケータイ小説など,印刷した書籍からのデータ化でないものも電子書籍とよばれることがある。また,出版社では書籍の発売と同時にデータの有料配信を行う動きもある。