てんじゅこくしゅうちょう【天寿国繍帳】 中宮寺(ちゅうぐうじ)(奈良(なら)県)につたわる日本最古(さいこ)の刺繍(ししゅう)による帳(とばり)(カーテンのようなもの)。天寿国曼荼羅繍帳(てんじゅこくまんだらしゅうちょう)ともいう。国宝(こくほう)。聖徳太子(しょうとくたいし)の没(ぼつ)(622年)後のめい福をいのって,きさきの橘大郎女(たちばなのおおいらつめ)が侍女(じじょ)たちにつくらせたもので,太子のいる天寿国(てんじゅこく)(極楽(ごくらく))のありさまをえがいている。当時の刺繍(ししゅう)の技術(ぎじゅつ)や服飾(ふくしょく),さらに画風・染色(せんしょく)などを知るうえで貴重(きちょう)な遺品(いひん)とされている。