都名の由来:江戸城が明けわたされたあとの1868年7月に,西の京都に対して,東の都として,江戸を東京とあらためたことによる。
都庁所在地
都の面積
都の人口
都の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○村山大島つむぎ ○本場黄八丈 ○多摩織 ○東京染小紋 ○東京手描友禅 ○東京銀器
〔祭り〕
○三社祭り(台東区,5月の第3日曜までの4日間) ○大島椿まつり(大島町,1月下旬から3月上旬)
位置・地形・気候
東京都は,関東地方の南部に位置し,東西に細長い。西の山梨県との境には関東山地があり,東は東京湾に面している。中央部に多摩・狭山などの丘陵,その東に武蔵野の台地が広がり,東京湾ぞいは,荒川や江戸川,多摩川などがつくった低地と埋め立て地である。
また,伊豆諸島,小笠原諸島も東京都に属する。
気候は,夏に降水量が多く,冬に晴天がつづく太平洋側の気候で,わりあいおだやかである。伊豆諸島は冬でもあたたかく,小笠原諸島は1年中夏のような気候で,亜熱帯性の植物がしげっている。
歴史
昔の武蔵国(現在の埼玉県と東京都,神奈川県東部をあわせた地域)の一部にあたる。昔は西部の多摩川ぞいの府中市,国分寺市あたりを中心に開けていた。
平安時代から東部の開拓が進み,多くの武士団が生まれた。鎌倉・室町時代には,幕府に直結して統治された。江戸時代は,幕府がおかれて大きく発展し,江戸は日本の政治・文化の中心地となった。
1868年に江戸は東京とあらためられ,翌年都がうつされて首都となった。現在の東京の領域が定まったのは1893(明治26)である。
その後,1923年の関東大震災によって大きな被害を受けたが,復興し,第二次世界大戦後も日本の首都,政治・経済・文化の中心地として発展をつづけてきた。
産業
日本最大の都市地域であり,通信や情報,交通・運輸・金融・商業などの第3次産業の比率がたいへん大きい。
都市化のために農地は減少をつづけ,耕地面積は全国で最もせまい。農業生産額も最下位だが,中心は野菜栽培である。
工業生産額は全国10位で,あらゆる工業が集まっている。なかでも都心に多い出版・印刷業の生産額は全国の約21%(2009年)をしめ,大きな特徴となっている。電気機器・精密機械などの機械工業の割合も大きい。また,靴・かばんなどの皮革製品の生産が多い(全国生産額の約28%)ことも特色である(2009年)。そのほか,食料品・衣料品・住宅用品などの消費財の生産も多く,これらをつくる小工場が江東区・大田区などに多く立地している。
すべてが集中する東京
首都東京の都心部には,国会議事堂や中央省庁,最高裁判所など,国の重要な機関が集中している。日本銀行をはじめとする金融機関や大企業の本社,さらに,放送局・新聞社・出版社などの情報産業,大学や劇場・美術館などの文化施設も集まり,日本の政治・経済や情報・文化の中心である。
商業活動,とくに卸売り業がさかんで,各種の問屋が都心とその周辺に立地している。また,全国の商店街を代表する地区として,銀座・日本橋・新宿・渋谷などがあり,新しいファッションも多くが東京から各地へ広まっていく。東京の卸売り業の年間販売額は全国の約40%をしめ,小売り業の年間販売額も全国の約13%である(2007年)。
陸・海・空の交通網も,東京を中心として日本各地に広がっており,東京は各地域と密接にむすびついている。
さらに,東京には外国大使館や外国企業の支社も集中,外国人居住者もたいへん多い。
現在東京都の人口は約1316万人であるが,東京郊外の市街地は近県に拡大し,都心から50kmの東京圏には3200万人以上が住んでおり,人口の集中はさらに加速している。