東京都大田区南東端,多摩川の河口北岸を埋め立ててつくられた国際空港。通称,羽田空港。1931(昭和6)年,逓信省羽田飛行場として開設され,日本の民間航空の中心地として発展した。第二次世界大戦後はアメリカ空軍に接収され,58年に返還終了。64年までにA・B・C3本の滑走路が整備され,東アジアの拠点空港となったが,発着便数の急増に対応できず,1978(昭和53)年,新東京国際空港(成田空港)の開港によってその地位をゆずり国内線専用空港になった。ところが成田空港の交通の不便さと用地取得の問題による滑走路整備の遅れにともない,国は国内線は羽田,国際線は成田という航空行政を見直し,羽田空港を沖合に移転して3倍に拡張,2010(平成22)年10月には新たなD滑走路を完成させ,東アジアの「ハブ空港」(自転車のスポークが集まるハブのようなネットワークの中心空港),24時間発着の国際空港として新たなスタートを切るにいたった。また同時に国際線の新旅客ターミナルビルも開業,ビル内には日本情緒豊かなショップ街・レストラン街も設けられ,外国人観光客の集客ももくろんでいる。