(1837〜1913)江戸幕府の第15代将軍。水戸(茨城県)藩主徳川斉昭の子で,一橋家をつぎ,1862年の幕政改革で将軍家茂の後見職となった。家茂の死後,将軍職をつぎ(1866年),フランスの援助で幕政改革をはかったが時期すでにおそく,翌年10月,朝廷に政権を返上した(大政奉還)。鳥羽・伏見の戦いにやぶれると,江戸ににげ帰り,寛永寺に入って謹慎(身をつつしむこと)。江戸城を政府軍に明けわたしたあと,水戸ついで静岡に隠退したが,のちに罪をゆるされて,1902(明治37)年に公爵(華族の最高位)となった。