とくだしゅうせい【徳田秋声】 (1871〜1943)明治(めいじ)・大正・昭和時代の小説(しょうせつ)家。石川(いしかわ)県に生まれる。尾崎紅葉(おざきこうよう)の弟子になって小説(しょうせつ)を修業(しゅぎょう)。1908(明治(めいじ)41)年に『新世帯(あらじょたい)』を発表して,自然主義(しぜんしゅぎ)文学を代表する作家としての地歩をきずいた。その後も実際(じっさい)の生活をありのままに書くという自然主義(しぜんしゅぎ)の立場に立ち,『黴(かび)』『爛(ただれ)』『あらくれ』などの名作をのこした。とくに1941(昭和16)年に発表した『縮図(しゅくず)』は軍部(ぐんぶ)の圧迫(あっぱく)で未完(みかん)に終わったが,自然主義(しぜんしゅぎ)文学の完成(かんせい)を示(しめ)す作品といわれる。