青森県岩木川河口の十三湖にあった港。平安時代末期に蝦夷地との交易や日本海地域の海運の拠点として整備された。鎌倉時代から室町時代にかけては豪族の安東(安藤)氏の拠点となり,博多や堺と並ぶ重要な港として繁栄したが,15世紀後半に衰退した。1990年代前半に大規模な遺跡発掘調査が行われて,規則正しく整備された道路や館・町家などが立ち並ぶ町並みが確認された。また,中国製の陶磁器や高麗の青磁器などが出土したことから,海外との交易が行われていたと推測されている。◇十三湊の遺跡は「十三湊遺跡」として,国の史跡に指定。