(712〜770)中国唐代の詩人。字は子美。号は少陵。官吏の登用試験に何度も失敗し,官吏生活にもめぐまれず,各地を放浪して不遇のうちに一生を終えた。しかし自分の体験した不幸を通して,現実の社会や人間の存在をじっと見つめ,多くのすぐれた詩をのこした。作品集としては『杜工部集』20巻のほか,それを年代順に組み直した『杜詩詳註』がある。◇安史の乱後の荒廃した世の中をなげいてよんだ『春望』(「国破れて山河あり」で始まる詩)はとくに有名である。
コーチ
李白とともに中国
最大の詩人といわれ,
李白が「
詩仙」とよばれるのに対して,
杜甫は「
詩聖」とよばれる。