ながうた【長唄】 三味線(しゃみせん)音楽の一種(いっしゅ)。元禄(げんろく)時代(1688〜1704年)の初(はじ)めごろから,江戸(えど)において歌舞伎(かぶき)舞踊(ぶよう)の伴奏(ばんそう)音楽として発展(はってん)してきた長編(ちょうへん)の歌いもの(声楽曲)。最初(さいしょ)は江戸長唄(えどながうた)といって,上方(かみがた)長唄(ながうた)(のちに地歌(じうた)とよばれる)と区別(くべつ)したが,江戸長唄(えどながうた)が流行するにおよんで,たんに長唄(ながうた)の名でよばれるようになった。長唄(ながうた)の演奏(えんそう)は囃子(はやし)方(笛・小鼓(こつづみ)・大鼓(おおつづみ)・太鼓(たいこ))がくわわるのが本格的(ほんかくてき)で,うたも三味線(しゃみせん)もにぎやかに活躍(かつやく)して,はでで,歯切れがよく,速いテンポの演奏(えんそう)に特色(とくしょく)がある。