県名の由来
長野の語源は,扇状地の長い傾斜面につけられた地名といわれる。県名は県庁が長野村におかれたことによる。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○信州つむぎ ○木曽漆器 ○松本家具 ○飯山仏壇 ○内山紙 ○南木曽ろくろ細工
〔祭り〕
○御柱祭(諏訪市,7年おきの4月・5月)
位置・地形・気候
長野県は,日本のほぼ中央に位置する内陸県で,北海道・岩手県・福島県につぐ広さをもつ。山脈が立ちならび,海から遠く,海抜高度が高いので日本の屋根といわれる。
西部には3000m級の高山がつらなる飛騨山脈,その南東には木曽山脈,その東に赤石山脈があり,東部には越後山脈がつきでている。また,浅間山・乗鞍岳などの火山が多い。
山地の間には,北から長野・上田・佐久・松本・諏訪・伊那盆地がつづき,千曲川・犀川・天竜川などが流れている。千曲川と犀川は長野盆地で合流して信濃川となり,新潟県を北上して日本海に注ぐ。また諏訪湖を源とする天竜川は静岡県を南下して太平洋に注ぐ。
気候は,全体としては,夏と冬の気温差が大きく,降水量の少ない内陸型の気候である。1日の気温差も大きく,夏は日中の気温は高いが,朝・夕はすずしくすごしやすい。新潟県境や富山県境に近い地域は,冬,雪が多い。
歴史
昔は信濃国といった。国府はいまの松本市,国分寺はいまの上田市におかれた。鎌倉時代以降,比企氏,北条氏,小笠原氏などが守護として統治した。戦国時代には小笠原氏・諏訪氏・上杉氏・武田氏などがこの地をめぐってあらそった。江戸時代には11の小藩がおかれた。
明治の廃藩置県で11県が成立,ついで長野県と筑摩県に統合され,1876(明治9)年に2県が合併して現在の長野県となった。
産業
農産物の販売農家数は約6.2万戸と,全国第4位で(2010年),農業生産額は14位である(2009年)。生産額が最も多いのは野菜で,高冷地を生かした高原野菜の栽培が中心である。盆地では,果樹栽培がさかんで,リンゴ・ブドウ・スモモの生産量は全国2位,モモは3位となっている(2010年)。米の生産量もわりあい多く,10aあたりの収量は全国1位である(2010年)。エノキタケ・シメジの生産量も全国有数である。
工業は,諏訪市・岡谷市の電子機器や,カメラ・時計・レンズなどの精密機械,長野市・松本市・上田市のコンピュータ,自動車部品などの電子機器,機械工業が中心である。
みそ・漬け物などの食料品工業や,木曽谷の木工業もある。
さかんな高原野菜の栽培
長野県は,夏のすずしい気候を生かした高原野菜の栽培がさかんな県である。
高原野菜のおもな生産地は,浅間山山ろくの菅平や八ケ岳山ろくの野辺山原などである。これらの地域は,海抜およそ1200〜1500m,年間の平均気温は約6℃で,真夏でも18℃ぐらいにしかならない。
そこで,このような夏のすずしい気候を利用して,平地では春か秋につくられる,レタス・キャベツ・ハクサイなどを夏につくって出荷するのである。高原野菜は,平地でとれる野菜と出荷時期がずれるので高く売れ,また,東京・名古屋・大阪の大市場に近いこともあって,大きくのびてきた。
現在,長野県のレタス・セロリ・ハクサイの生産量は全国1〜2位,キャベツは6位となっており(2010年),レタスなどは,東京や大阪の市場では,6月から9月ごろまで長野県産のものが大部分をしめる。
同じ作物を栽培しつづけると,作物が病気になったり,収量が減ったりする。こうした連作障害をふせぐために,堆肥をいれたり,土を入れかえるなどの努力も行われている。