なぬし【名主】 江戸(えど)時代に村の政治(せいじ)をあずかった農民(のうみん)。庄屋(しょうや)・肝煎(きもいり)ともいう。組頭(くみがしら)・百姓代(ひゃくしょうだい)とともに村役人を構成(こうせい)し,村政(そんせい)の最高責任(さいこうせきにん)者であった。村をおさめ,村に割(わ)り当てられた年貢(ねんぐ)をおさめるため,村人の数や宗教(しゅうきょう)などを調べ,村内のとりしまりや領主(りょうしゅ)からの知らせを徹底(てってい)させ,水の利用(りよう)や土木事業を監督(かんとく)するなど,村政全般(そんせいぜんぱん)の仕事を行った。◇町政(ちょうせい)にあたる町役人にも町名主があった。コーチ名主と書いて,江戸(えど)時代の村役人の場合は「なぬし」と読み,荘園(しょうえん)や公領(こうりょう)のなかで名田(みょうでん)を所有する農民(のうみん)の場合は「みょうしゅ」と読む。