39℃以上の突然の高熱を発症するウイルス性の感染症。日本脳炎ウイルスに近縁のフラビウイルス属が原因の感染症で,カによって媒介される。また,輸血や臓器移植による感染例もある。頭痛,筋肉痛,消化器異常などの症状も出るが,脳炎をひきおこすと危険。ただし,重症化するのは感染者の1%程度で,80%は無症状である。1937年にアフリカ・ウガンダの西ナイル地域の患者からはじめて病原体が分離された。1999年にアメリカ合衆国内ではじめての流行が報告され,その後,アメリカ国内で散発的に流行をくりかえしている。日本でもアメリカ渡航者が帰国後発症する例があらわれてきている。予防のためのワクチンは実用化にいたっていない。