日米間の貿易収支の不均衡によって生まれた摩擦。アメリカは,1971(昭和46)年に貿易赤字になり,80年代に入ってその赤字が増大し,日米の貿易摩擦も深刻になった。摩擦のおもな原因は,アメリカの過剰消費と日本の内需不足にあった。アメリカは大幅な対米黒字の日本に対して黒字削減をもとめ,一方的に不公正貿易を行っているとして大幅な関税をかけるなどした。さらに日本の市場の閉鎖性をうったえ,日本は市場経済が通用しない国などと日本たたきをした。これに対して日本は,1985年のプラザ合意で円高・ドル安にし,輸出を抑え,市場開放をし,内需拡大などの政策を行い,対米黒字の削減に努力してきた。しかし,アメリカの貿易収支は赤字のままで,経済摩擦は解消していない。