にのみやそんとく【二宮尊徳】 (1787〜1856)江戸(えど)時代後期の農政(のうせい)家。通称(つうしょう)は金次郎(きんじろう)。相模(さがみ)国(神奈川(かながわ)県)の農家に生まれ,10代で父をうしなったが,さまざまな苦労(くろう)を重ねて,24歳ぐらいまでに家を再興(さいこう)。その手腕(しゅわん)を買われて関東各地(かくち)の農村にまねかれ,農民(のうみん)に倹約(けんやく)と勤労(きんろう)を説(と)き,余力(よりょく)を開墾(かいこん)と水利(すいり)工事にあてさせる方法(ほうほう)で,農村復興(ふっこう)に成功(せいこう)した。こうした尊徳(そんとく)の経験(けいけん)と教えは,明治以後(めいじいご)も報徳社(ほうとくしゃ)運動として受けつがれた。