ねっそせつ【熱素説】 熱(ねつ)を熱素(ねっそ)(カロリック)からなる一種(いっしゅ)の物質(ぶっしつ)とする考え。古代ギリシャやインドに始まり,17〜18世紀(せいき)ごろまで一般(いっぱん)に受け入れられていた。温度の高低(こうてい)は,この熱素(ねっそ)という目に見えない物質(ぶっしつ)が浸透(しんとう)して生じるもので,温度の高い部分からひくい部分に流れる流体のようなものであるとされた。しかしその後,分子運動の考えやエネルギー保存(ほぞん)の法則(ほうそく)の確立(かくりつ)によってこの説(せつ)は否定(ひてい)された。