クラウジウス・ケルビンらにより確立された経験法則で,自然現象には不可逆過程が存在するとし,この方向性を規定したもの。クラウジウスの原理ともいう。
現象の進行の方向性は次のように示される。
(1)力学的エネルギーは摩擦によって熱にかわるが,その熱は全部は力学的エネルギーにならない。
(2)熱は高温物体から低温物体に移動するが,ひとりでに逆方向には移動しない。また,逆方向に進行させるためには別に何らかの手段を要する。
◇物体が一循環の過程を行う間に外から熱を吸収してその全部を力学的仕事にかえる装置(第2種永久機関)は不可能である,とも表現される。