はたし【秦氏】 古代の有力な渡来(とらい)人系(けい)の氏族(しぞく)。『日本書紀(にほんしょき)』によれば弓月君(ゆづきのきみ)が祖先(そせん)とされ,5世紀初(せいきはじ)めに,朝鮮(ちょうせん)半島南部にいた中国人が日本に渡来(とらい)し,大和政権(やまとせいけん)の伴造(とものみやつこ)として待遇(たいぐう)され,秦氏(はたし)を称(しょう)したものと推定(すいてい)される。京都盆地(きょうとぼんち)を中心に勢力(せいりょく)をもち,とくに財務(ざいむ)にすぐれ,また養蚕(ようさん)・機織(はたお)りの技術(ぎじゅつ)をもって仕えていた。◇京都(きょうと)市太秦(うずまさ)の広隆寺(こうりゅうじ)は秦氏(はたし)の氏寺(うじでら)であった。