相撲番付表のことで,大相撲のすべての現役力士の地位を書き表した1枚の刷りもの。本場所終了後3日以内にその場所の力士の成績をもとに日本相撲協会の番付編成会議が編成し,次の本場所前13日前後に発表され,印刷物として各相撲部屋や関係者に配布される。それまで興業のたびごとに板書されていたものが江戸時代の享保年間(1716〜35)に木版刷りで版行されるようになり,1757年に1枚ものの現在の形に近いものになった。そのころ江戸と大坂・京都で別々に行われていた相撲興業を反映して東と西というふりわけの順位づけができあがった(相撲が全国的に統一されてからは地域や出身地での東西のふりわけではなくなり,東方が西方より同地位でも半枚分格上とされる)。現在のものでいえば,横綱を筆頭に大関以下の三役,前頭,十両,幕下,三段目,序二段,序ノ口まで前相撲をのぞくすべての力士が東西に分かれて記載され,さらに行司,年寄(親方衆),呼出し,床山まで,ほとんどの相撲協会関係者の名が記されている。番付表担当の行司によって今もすべて手書きされ,写真製版で印刷されている。◇いわゆるベスト10方式の一本化した順位ではなく,東西に同レベルを並行させる順位づけの形式が日本人の感性に合い,江戸時代から現在にいたるまで,園芸植物番付,名所番付,温泉番付,酒徒番付,今年のヒット商品番付など,さまざまなジャンルでも利用されている。⇒相撲,日本相撲協会