県名の由来
広島の「島」は太田川の三角州のことであるが,「広」についてはよくわからない。県名は,広島藩の城下町広島からとられた。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○広島仏壇 ○熊野筆 ○宮島細工 ○福山琴
〔祭り〕
○管絃祭(廿日市市宮島町,旧暦6月17日)
位置・地形・気候
広島県は,中国地方の南部中央にあり,北は中国山地をはさんで島根県に接し,南は瀬戸内海をはさんで四国と向かいあい,中国・四国地方の中心的な位置にある。 北部の中国山地には,1000m前後の山々がならぶ。山地の南側にはなだらかな高原がのび,山地と高原の間には三次盆地をはじめ,いくつかの盆地がある。また北西部の山地から流れ出た太田川は,下流に広島平野をつくっている。県の面積の約93%は山地で,平地はわずか7%ほどである。
気候は,1年を通して温暖で降水量が少ない,瀬戸内の気候であるが,中国山地ぞいの地域は冬の寒さがきびしい。
歴史
この地域は,北九州と大和地方をむすぶ重要な交通路にあったため,早くから開けていた。奈良時代には西部に安芸国,東部に備後国がおかれた。平安時代末期には平氏の知行国となり,厳島神社がさかえた。
戦国時代には毛利氏が支配,江戸時代には,安芸に広島藩,備後に福山藩がおかれ,広島や福山は城下町として発展した。
明治になって,広島藩は広島県に,福山藩は深津県となったが,1876(明治9)年に合併して現在の広島県が成立した。
1945(昭和20)年,広島市は原子爆弾で壊滅的な被害を受けたが,復興に力をそそぎ,商工業を中心にめざましい発展をとげた。
産業
広島県の農業人口は少ないが,県の中央部で米や野菜,南部で野菜や花の栽培が行われ,瀬戸内海の島々では,ミカンやネーブルなどの栽培がさかんである。中国山地では肉用牛の飼育も行われている。
水産業では,広島湾でカキの養殖がさかんで,生産量は全国一(2009年)である。
広島県は,中国・四国地方最大の工業県で,瀬戸内工業地域の中核となっている。広島市とその周辺では自動車・機械,呉地域では鉄鋼・機械,福山市では鉄鋼,大竹市では化学工業がさかんで,重化学工業が中心である。近年は,東広島市を中心とした地域に新しい電気機器やIC工場などの進出も見られる。
商業もさかんで,広島県の卸売り業の年間販売額は,全国で第8位(2007年)となっている。
中国地方の中心広島市
広島市は人口約116万人,中国地方のほぼ中央に位置し,中国・四国地方最大の都市である。1980(昭和55)年に,全国で10番目の政令指定都市となった。
広島市の市街地は太田川がつくった三角州の上に広がっている。市の中心部には,県庁や裁判所をはじめ,中国地方全体をうけもつ国の役所や,大きな企業や銀行の支社や支店が数多く集まり,広島市は中国地方の政治や経済の中心都市となっている。
商業もさかんで,卸売り業は,広島県だけでなく,島根県西部や山口県東部まで,ほぼ半径100kmの範囲の小売り業とむすびついている。また,沿岸部では自動車や機械工業がさかんである。
1945年8月6日,広島市は,世界で最初の原子爆弾の投下を受け,その中心部は廃墟となった。爆心地近くには,原子爆弾による被害の悲惨さを伝える原爆ドームがのこされており,世界遺産となっている。また,平和記念公園では,毎年,平和祈念式典が開かれ,世界に向けて核兵器の廃絶をうったえつづけている。