武芸を身につけ,軍事にたずさわった人。封建社会の支配階級をなした。
武士のおこり
古くは「つわもの」「もののふ」などといわれ,また,貴族に仕えてその警固にあたるようになると「さむらい」とよばれた。平安時代中ごろから地方に土着する有力農民が武力をたくわえ,自衛をしたのに始まる。かれらは有力なものを棟梁(統率者)として武士団を形成,しだいに実力にものをいわせて貴族たちを圧倒していった。
武士の世
12世紀の末,平氏が,ついで源氏が政権をにぎり,武士による政治が始められて以後,明治維新にいたるまで支配階級となった。武士は将軍を頂点として主従関係をむすび,「もののふのみち」「武士道」とよばれる倫理・道徳を精神的ささえとした。
コーチ
豊臣秀吉以後の兵農分離によって,江戸時代には,農民や町人とはっきりちがう最上の身分となった。