ふじわらのしゅんぜい【藤原俊成】 (1114〜1204)平安時代末期(まっき)の歌人。「としなり」ともいう。定家(ていか)の父。百人一首(いっしゅ)の歌人。当時の和歌界の巨匠(きょしょう)ともいうべき存在(そんざい)で,美しさのなかにも奥(おく)深い味わいを,みがきあげた言葉で表現(ひょうげん)する「幽玄体(ゆうげんたい)」といわれる歌風をつくりあげた。後白河上皇(ごしらかわじょうこう)の命で『千載和歌集(せんざいわかしゅう)』を編(へん)さんしたほか,『古来風体抄(こらいふうたいしょう)』『万葉集時代考(まんようしゅうじだいこう)』などものこしている。◇「世の中よ道こそなけれ思ひ(い)入る 山の奥(おく)にも鹿(しか)ぞなくなる」