(1162〜1241)鎌倉時代前期の歌人。「さだいえ」ともいう。俊成の子。朝廷に仕え,藤原家隆らと『新古今和歌集』を編さんした。定家の歌は上品で,はなやかなおもむきのある歌風で,新古今調とよばれる。歌学者としてもすぐれ,『近代秀歌』『毎月抄』『詠歌大概』などの歌論書があり,後代に大きな影響をおよぼした。家集に『拾遺愚草』,日記に『明月記』がある。『小倉百人一首』の選者とされている。鎌倉幕府の3代将軍源実朝も,定家から歌の教えを受けた。◇「来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くや藻塩の身もこがれつつ」