図形の部分が,図形の全体の相似形になっていることを表す幾何学の概念。たとえば,海岸線の地形をどんどん拡大して見ていくと,さらに細かい形状が表れ,やはりもとの海岸線と似た形が見えてくる。また,樹木の全体像と枝の形状,動物の全身の血管系と毛細血管系など,自然界には多く現れ,自然科学の研究法に用いられるほか,CGにも活用されている。ただし直感的には理解しやすいが数学的にはフラクタルの定義はたいへんむずかしく,厳密にいえば自然界のフラクタルは近似のものである。1977年,フランスの数学者B・マンデルブロ(1924〜2010)が導入した概念。