ふるさとのうぜい【ふるさと納税】

個人(こじん）が現住所以外(げんじゅうしょいがい）の任意(にんい）の地方自治体(じちたい）に寄付金(きふきん）を納めることによって，個人(こじん）住民税(じゅうみんぜい）の一部を控除(こうじょ）できる制度(せいど）。「ふるさと」といっても自分の故郷(こきょう）でなくてもかまわず，また寄付(きふ）と控除(こうじょ）の組み合わせであって「納税(のうぜい）」ではない。過疎(かそ）や財政難(ざいせいなん）に悩(なや）む地方自治体(じちたい）と都市部との格差是正(かくさぜせい），生まれ故郷(こきょう）への貢献(こうけん）などの意見から，2008（平成(へいせい）20）年4月，地方税法(ぜいほう）の改正(かいせい）によって導入(どうにゅう）された。納税者(のうぜいしゃ）の住民(じゅうみん）が現住所(げんじゅうしょ）の自治体(じちたい）に納(おさ）めている住民税(じゅうみんぜい）のおおむね1割(わり）を上限(じょうげん）として，他の自治体(じちたい）に寄付(きふ）をした場合，寄付金(きふきん）の5000円を超(こ）える部分については所得税(しょとくぜい）とあわせて全額控除(ぜんがくこうじょ）になるしくみ。財政(ざいせい）赤字の地方自治体(じちたい）からは歓迎(かんげい）の声が上がっているが，都市部の自治体(じちたい）では現住所(げんじゅうしょ）での行政(ぎょうせい）サービスを税(ぜい）でまかなう「受益者負担(じゅえきしゃふたん）の原則(げんそく）」をくずすものだという反対意見もある。