インドシナ半島東岸の南北に細長い国。政体は社会主義共和政で,元首は大統領(国家主席)。首都ハノイ。面積:33.1万km2,人口:8785万。
〔国名の由来〕
ベトナムは漢字で「
越南」と書き,
越の南の遠い国,という意味。
越は中国の
春秋戦国時代に
楚にほろぼされ,一部がこの地に
移住したという。
〔国旗の由来〕
金星紅旗とよばれ,赤は
革命の血を,黄は
民族の
団結を表している。
〔自然・産業のようす〕
北部にトンキンデルタ,南部にメコンデルタがあり,ともに
重要な
穀倉地帯である。北部は
亜熱帯,南部は
熱帯に
属し,中部
以南は高温
多湿。農業は米作が中心で,ほかにコーヒー豆・トウモロコシ・サトウキビ・サツマイモ・
綿花などを
栽培。地下
資源は北部が
豊富で,ホンゲイ炭田では
良質の石炭を
産出する。近年,トンキン
湾やメコンデルタ
沖などの石油
資源が注目されている。工業は食品・
繊維工業が中心で,
鉄鋼・
機械などの重工業も
発達しつつある。
〔あゆみ〕
1884年フランス
植民地となり,インドシナ
戦争後の1954年南北に
分断されたが,ベトナム
戦争と
内戦の
結果,南ベトナム
政府が
崩壊し,1976年新しい
統一国家が
成立した。1986年から
政治・
経済・社会の
改革を進め,近年は,開放化
政策によって
外資の
導入をすすめている。