ペルー南部の渓谷にあるインカ帝国の都市遺跡。スペイン人の侵略を逃れたインカの人々によって,15世紀につくられたと考えられている。断崖に囲まれた標高2400mの高地にあり,下からは存在を確認できないことから「空中都市」と呼ばれている。城壁に囲まれた市街区には,インカ様式の精密な石造りの神殿・貴族の館・居住区などが残り,その横に広大な段々畑が広がる。16世紀半ばに住民が姿を消して以来,廃墟となっていたが,1911年にアメリカ人歴史学者のハイラム・ビンガムによって発見された。「マチュピチュの歴史保護区」として,世界遺産(複合遺産)に登録されている。◇「マチュピチュ」とは,かつてインカ帝国の公用語だったケチュア語で「老いた峰」を意味する。