まついすまこ【松井須磨子】 (1886〜1919)明治(めいじ)・大正時代の新劇(しんげき)女優(じょゆう)。本名小林正子(こばやしまさこ)。長野(ながの)県出身。文芸協会(ぶんげいきょうかい)(日本最初(さいしょ)の新劇団体(しんげきだんたい))の第1期生となり,1911(明治(めいじ)44)年の第1回公演(こうえん)で『人形の家』の女主人公ノラを演(えん)じて,一躍(いちやく)有名となった。のち,島村抱月(しまむらほうげつ)の芸術座(げいじゅつざ)に参加(さんか)して主演女優(しゅえんじょゆう)となり,とくに『復活(ふっかつ)』(トルストイ作)のカチューシャ役で人気をよび,劇(げき)中で歌った「カチューシャの唄(うた)」は,多くの人々に愛唱(あいしょう)された。抱月(ほうげつ)の死の翌年(よくねん),あとを追って自殺(じさつ)した。