(1925〜1965)アメリカ合衆国の黒人解放運動の指導者。本名,マルコム=リトル。アメリカのネブラスカ州オマハに生まれる。幼い時に里子に出され,白人に育てられる。高校中退後,ボストンへ移って靴磨きや車内販売の仕事に就く。その後,ニューヨークのハーレム地区で,ギャンブル・麻薬取り引き・売春あっ旋・強盗などの犯罪に手を染めた。20歳の時に強盗の罪で逮捕され,6年間獄中で過ごした。この時に黒人イスラム教組織のブラック=ムスリムの信者となり,出所後はスポークスマン(政府や団体の意見を発表する担当者)となって,事実上のナンバー2にのぼりつめた。過激で攻撃的な言動で知られ,白人との融和を説くキング牧師と対照的に,白人との分離を説いた。のちに教団と対立して脱退し,アフリカ系アメリカ人統一機構を設立するが,ブラック=ムスリムの信者により射殺された。