みえざるて【見えざる手】 アダム=スミスが『国富論(こくふろん)』などで使用した言葉。それぞれの個人(こじん)が私的(してき)な利益(りえき)を追求(ついきゅう)しても,神の「見えざる手」がはたらいて,おのずから調和が生まれ,社会全体の幸福の実現(じつげん)にもつながるという考え。資本主義(しほんしゅぎ)社会の自由競争(きょうそう)をたたえる考え方であったが,1929年に始まる世界大恐慌(きょうこう)は,見えざる手がはたらかなくなることがあることを示(しめ)した。