化学式 H2O 地球上にいろいろな形で存在する物質で,ふつうは無味・無臭・透明な液体になっている。
コーチ
水は生物体をつくる
成分として,また
物質交代を行うためのなかだちとして
重要な
物質である。
〔水の性質〕
1
気圧(
約1013hPa)のもとでは,0℃で
凝固して氷になり,100℃で
沸騰する。水の
密度は4℃のときが
最大で1g/cm
3。ほかの
液体にくらべて
比熱が大きいので,温まりにくく,さめにくい。水はいろいろな
物質をよくとかすので,
溶媒としても
利用されている。
〔復氷〕
大きな氷を2つの
机の間にわたしてまん中に
針金をかけ,
針金の
両端におもりをぶらさげてみると,長い時間には
針金が氷にくいこんでいくが,
針金が
通過した部分は,また氷にもどってしまう。これが
復氷とよばれる
現象である。大気
圧が1
気圧のところで,氷に重さがかかると,
圧力が1
気圧以上となり,
融点が
下がり水の
状態となる。しかし,重さがかからなくなると,もとの1
気圧の
状態にもどるためにふたたび氷になる。
〔水の合成〕
水素を空気中で
燃やすと,
酸素と化合して水ができる。また,
水素と
酸素の
混合ガスに点火すると,
爆発的に化合して水ができる。
体積比が
水素2,
酸素1のときにちょうど
過不足なく水を生ずる。2H
2+O
2→2H
2O
〔水の電気分解〕
純粋な水に2つの
電極をさしこんで電流を通しても,ほとんど電流は流れない。しかし,水に
水酸化ナトリウムや
硫酸などの
電解質を少しとかして,直流電流を流すと,水が電気
分解される。このとき,
陰極には
水素が2
体積,
陽極には
酸素が1
体積の
比で発生する。
コーチ
水は電気を通さないので,電流が流れるように
電解質を少しとかす。
〔水の利用〕
水は
自然界のいたるところに広く
存在し,空気中にも
水蒸気としてふくまれる。水は,生活・工業・農業・発電など多くの
用途がある。また,
産業の
発展,生活
水準の向上,人口
増加などとともに
需要はふえていく。しかし,水を
大量に
必要とする都市
周辺と水
資源の
豊富な
地域がはなれているので,水
資源開発が問題となっている。