みぞぐちけんじ【溝口健二】 (1898〜1956)大正(たいしょう)から昭和時代(しょうわじだい)にかけての映画監督(えいがかんとく)。東京(とうきょう)に生(う)まれる。日活撮影所(にっかつさつえいしょ)に入社(にゅうしゃ)し,1923(大正(たいしょう)12)年(ねん)の『愛(あい)に甦(よみがえ)る日(ひ)』で映画監督(えいがかんとく)としてデビュー。虐(しいた)げられた女性(じょせい)の姿(すがた)を徹底(てってい)したリアリズムで描(えが)くことを得意(とくい)とし,『西鶴一代女(さいかくいちだいおんな)』,『雨月物語(うげつものがたり)』,『山椒大夫(さんしょうだゆう)』の3作品(さくひん)はベネチア国際映画祭(こくさいえいがさい)で3年連続受賞(ねんれんぞくじゅしょう)した。1つのシーンを1つのカットのみで表現(ひょうげん)する長回(ながまわ)しの技法(ぎほう)は,フランスのヌーベルバーグの作家(さっか)に大(おお)きな影響(えいきょう)を与(あた)えた。黒澤明(くろさわあきら),小津安二郎(おづやすじろう)とならぶ世界的(せかいてき)な巨匠(きょしょう)として名高(なだか)い。