アフリカ州の最南端にある,大西洋とインド洋に面する国。政治体制は共和制で,元首は大統領。首都:プレトリア,面積:122.1万km2(2015年),人口:5672万(2017年),言語:バントゥー諸語(ズールー語など9言語),アフリカーンス語,英語(すべて公用語)など,宗教:キリスト教,民族:アフリカ系(黒人),ヨーロッパ系(白人),カラード(混血)。
〔自然のようす〕
国土の
大部分は
皿状の
高原で,
東部から
南部にかけて
高い
山脈が
走る。
東部・
南部の
海岸地帯は
温帯,
内陸部から
大西洋岸にかけては
乾燥帯に
属する。
〔あゆみ〕
17
世紀にオランダ
東インド
会社がケープタウンに
入植した。18
世紀末にイギリスがケープタウンを
占領して
植民地化を
開始したため,オランダ
系白人であるボーア
人(アフリカーナ)は
内陸部に
移動し,19
世紀半ばにトランスヴァール
共和国とオレンジ
自由国を
建国した。19
世紀後半にトランスヴァールで
金鉱が
発見されると,イギリスは
戦争(
南アフリカ
戦争)をおこし
両国を
占領。1910(
明治43)年にはイギリス
連邦内の
自治領として
南アフリカ
連邦を
結成した。1961(
昭和36)年イギリス
連邦を
離脱し,
共和制に
移行した。
〔産業のようす〕
内陸部は
鉱産資源の
宝庫で,ダイヤモンド・
金・
銀・
白金・
鉄鉱石・
銅・ウラン・
石炭や,マンガン・クロム・アンチモン・バナジウムなどのレアメタル(
希少金属)を
産出する。
重化学工業が
発達し,
BRICSの
一国に
数えられる。
農牧業もさかんで,
小麦・トウモロコシ・サトウキビ・オレンジ・ブドウなどが
栽培され,ヒツジやウシの
飼育頭数も
多い。
〔アパルトヘイト政策〕
1910年
代以降,アパルトヘイト(
人種隔離)
政策が
進められ,
少数派のヨーロッパ
系(
白人)が
有色人種,とくにアフリカ
系(
黒人)をきびしく
差別した。しかし,1960年
代になると,
黒人解放運動が
活発化し,1980年
代後半には
国際社会もアパルトヘイトを
非難し,
経済制裁などを
実施した。この
結果,1991(
平成3)年6月までにアパルトヘイト
関連の
法律は
全廃され,1994年5月には
黒人初の
大統領であるネルソン=マンデラ
大統領が
誕生した。
〔日本との貿易〕
南アフリカ
共和国から日本への
輸出:
白金,パラジウム,
乗用車など。
南アフリカ
共和国の日本からの
輸入:
一般機械,バスとトラック,
乗用車など。(2015年)
〔国名の由来〕
アフリカ
大陸の
最南端に
位置していることからつけられた。
〔国旗の由来〕
赤は
独立と
黒人解放のために
流された
血,
緑は
農業,
黄色は
鉱物資源,
青は
漁業,
黒は
黒人,
白は
白人を
表し,
横になった
Yは
多人種共存の
社会への
願いを
表す。