アフリカ北東部,ナイル川の中上流域に位置する国。政体は共和政で,元首は大統領。首都ジュバ。湿地帯・熱帯雨林地帯が国土の大きな部分をしめ,主産業は農業だが,スーダン国境に位置するアビエイ油田をはじめ石油資源,鉱物資源が豊富で今後の開発が期待されている。1956年のイギリス・エジプトの共同統治からのスーダン独立以来,北部のアラブ系・イスラム教政権の支配のもと,南部のキリスト教・その土地の宗教を信仰する黒人たちは迫害を受けつづけ,たび重なる内戦がくりひろげられてきた。2005年1月,スーダン和平包括協定が締結され,6年間の暫定期間ののち住民投票による南部スーダンの帰属が問われることになり,2011年1月の投票の結果,南部住民の圧倒的な支持を得て分離独立が決定され,2011年7月,独立。しかし,アビエイ油田の帰属や石油資源の分配についてスーダンと話はまとまっておらず,国境も未確定,さらに南スーダンにも接するスーダン西部のダルフール地方の黒人系反政府勢力の紛争も解決しておらず,今後の国のゆくえが注目されている。面積:約64万km2,人口:約800万(推計)。
〔国名の由来〕
もともと「スーダン」とはサハラ
砂漠以南の「黒人の国」の
総称。
独立にさいして,かつての古代王国の名「クシュ」も
検討されたが
結局「南部スーダン」ということで
落ち
着いた。
〔国旗の由来〕
2005年に
制定されたスーダン
人民解放軍の
旗。黒は黒人,白は平和,赤は自由のための血,緑は国土,青はナイル川を表す。金色(黄色)の星は南部の
団結を表すベツレヘムの星。