●県名の由来
明治の廃藩置県で仙台県が成立したのち,伊達氏の仙台藩のイメージを消すねらいで,戦国時代以来の広域地名の宮城をとって県名とした。
●県庁所在地仙台市
●県の面積 7286km2
●県の人口 235万人
●県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕 ○宮城伝統こけし ○雄勝硯 ○鳴子漆器
〔祭り〕 ○帆手祭(塩竈市,3月10日) ○七夕(仙台市,8月6日〜8日)
●位置・地形・気候
宮城県は東北地方の南東部に位置し,西部に奥羽山脈が南北に走り,海岸よりの北部に北上高地の南端,南部に阿武隈高地の北端がかかる。県の東部を南北に流れる北上川,奥羽山脈から流れ出たいくつもの川が県の中央部に仙台平野をつくって,太平洋に注いでいる。
海岸線は,北部はリアス海岸,南部はなだらかな砂浜海岸となっている。
気候は,夏に雨が多く,冬は晴天がつづく太平洋側の気候だが,冬は乾燥した季節風がふきつけ,寒さがきびしい。また西部の山地は積雪量が多い。
●歴史
昔の陸奥国の一部で,古くはアイヌ民族の居住地。奈良時代には,いまの多賀城市に国府と鎮守府がおかれた。平安時代後期,安倍氏,清原氏,奥州藤原氏があいついで実権をにぎった。鎌倉時代以降は伊達氏が勢力を広げ,戦国時代には東北一の大名となった。江戸時代にも,伊達氏の仙台藩は東北の雄藩としてさかえ,城下町仙台や石巻港が繁栄した。
明治になって,仙台藩を中心に仙台県ができ,1872(明治5)年に現在の領域となって,宮城県と改称,東北地方の行政・文化の中心として発展してきた。
●産業
仙台平野は全国有数の米どころで,「ササニシキ」や「ひとめぼれ」の産地である。米の生産量は全国7位(2009年),生産額は農業生産額の約44%をしめている(2009年)。畜産もさかんで,乳用牛と肉用牛の飼育数は全国で10位以内にある。
水産業もさかんで,漁獲量は全国2位,石巻港・気仙沼港の水揚げ量は全国有数である。また,松島湾を中心とするカキの養殖は,広島県についで全国2位の生産量をあげている(2009年)。
工業生産額は,東北地方では福島県についで第2位である。近年,仙台市北部の工業団地に電子部品の工場が進出し,大きな生産をあげている。仙台港を中心とした地域では機械・石油化学・金属などの重化学工業,仙台市・石巻市・塩竈市・気仙沼市などでは,水産物の加工を主とする食料品工業の生産が多い。
■東北地方の中心都市仙台市
いまから400年ほど前,伊達政宗が青葉城をきずき,城下町が生まれたことが仙台市のおこりである。明治時代以降,政治・経済・文化にわたる国の出先機関がおかれてからは,仙台市は東北地方を統括する働きをもつようになった。
2011年現在,仙台市は人口約101万人,東北地方最大の都市であり,この地方唯一の政令指定都市である。
中心部の青葉区には行政機関や金融機関,オフィス・デパート・商店などが集中し,大学や研究機関も多い。また,海岸よりの地域には,運輸・倉庫業,物流センター,中央卸売市場などがあって,流通の拠点となっている。仙台市の卸売り業の商圏は東京とむすびつく一方で,東北地方全域におよび,その年間販売額は東北地方全体の約50%をしめている。
仙台市への通勤・通学者や,買い物客は,仙台市の中心部から半径30〜40kmの範囲に住む人々で,JR東北本線・常磐線・仙山線・仙石線や,バス,自家用車などがおもな交通手段となっている。