むさし【武蔵(国)】 埼玉(さいたま)県・東京(とうきょう)都と,神奈川(かながわ)県の一部の旧(きゅう)国名。国府(こくふ)は今の府中(ふちゅう)市,国分寺(こくぶんじ)は国分寺(こくぶんじ)市におかれた。略称(りゃくしょう)「武州(ぶしゅう)」。東海道の1国。はじめ東山道に属(ぞく)したが,771年に東海道に属(ぞく)した。平安時代末(すえ)ごろから武蔵七党(むさししちとう)などの武士団(ぶしだん)がおこり,鎌倉(かまくら)時代に将軍(しょうぐん)家の知行(ちぎょう)国となり,室町(むろまち)時代には鎌倉府(かまくらふ)がおさめた。戦国(せんごく)時代は小田原(おだわら)の北条氏(ほうじょうし)領(りょう),その滅亡(めつぼう)後に徳川家康(とくがわいえやす)の領地(りょうち)となり,江戸(えど)に幕府(ばくふ)が開かれた。武蔵(むさし)はそのひざ元として,譜代(ふだい)大名でかためたほか,天領(てんりょう)・旗本(はたもと)領(りょう)とされていた。